資料区分	県史複製
請求番号	H42-1-1(5)近世
文書群名	吉井町郷土資料館文書５（本多夏彦氏寄贈史料）
伝存地	吉井町（現高崎市）
出所	吉井町郷土資料館（現・高崎市立吉井郷土資料館）
地名	多胡郡吉井村（近世）/多胡郡吉井町吉井（明治15年～）/多野郡吉井町吉井（明治29年～）/高崎市吉井町吉井（平成21年～）
旧支配	吉井藩領（天正18年～、菅沼氏）/幕府領/幕府領と旗本領（鷹司松平氏・川田氏・松平氏・中沢氏・岩村氏等）の相給/吉井藩領（寛延元年～、鷹司松平氏）/岩鼻県（明治2年～）/第一次群馬県（明治4年～)/熊谷県（明治6年～)/第二次群馬県（明治9年～)
歴史	高崎市吉井町（旧・多野郡吉井町）は上信国境に源をもち東流する鏑川流域に位置する。▼近世の地名でいうと、鮎川流域の下日野村・上日野村（現・藤岡市）の２か村を除いた多胡郡の全村と、甘楽郡のうちの３か村が含まれる。▼近世は吉井村や矢田村に吉井藩の陣屋が置かれたが、吉井藩領の村はわずかで、各村は小幡藩領、七日市藩領、旗本領や御三卿清水家領、幕府領と様々であった。▼幕末の改革寄場組合では、甘楽郡の村は小幡村寄場組合（岩崎村・坂口村）と安中宿寄場組合（奥平村）に属し、多胡郡の村は吉井宿を寄場とする多胡郡27か村の組合に属していた。▼鏑川沿岸の池地区には、多胡郡の新設を記念して和銅4（711）年に建てられた多胡碑がある。▼明治15年、鏑川左岸の多胡郡吉井村（吉井町とも）と川内村が合併し、吉井町が成立。明治22年に近隣の長根村・矢田村等８か村と合併、昭和30年に多野郡多胡村・入野村、甘楽郡岩平村の３か村と合併（多野郡吉井町）、平成21年の合併により高崎市吉井町となった。▼本文書群の寄贈者である本多夏彦氏（1888年～1975年）は、群馬県の郷土史家である（県文化財専門委員等。『吉井町誌』にも寄稿）。なお、『吉井町誌』には本資料にはない本多氏所蔵の文書も掲載されている。
伝来	吉井町郷土資料館（現・高崎市立吉井郷土資料館）収蔵。
数量	50
年代	寛永19年（1642）～慶応3年（1867）
構造と内容	郷土史家、本多夏彦氏より寄贈された文書である。▼高崎市吉井町（旧・多野郡吉井町）をはじめ、下仁田街道沿いの町村、中山道の新町宿（旧・多野郡新町）や、吉井藩領に関する文書である。商業や往還輸送の出入り、助郷等交通関連が目立つ。▼吉井宿絹市に関して、文政8年の「差上申済口証文之事（吉井町と藤岡町との絹市差障り出入）」（2/177）、弘化4年の大丸屋宛絹買出張方依頼状「以書付御頼申上候（吉井宿への出市願）」（2/152）、「〔書状〕（絹売買に付丸大出市依頼）」（1/139、嘉永2年か）等がある。▼文化4年の「差上申済口証文之事（諸荷物差障り新規庭銭掠取り出入）」（1/106）は甘楽郡下仁田町・一之宮町（現・富岡市）の出入に関する文書である。▼天保3年「相頼申一札之事（信州米売買のため吉井宿へ問屋数カ所設置に付）」（1/46）は下仁田・一之宮町の米商人らによる吉井宿への米問屋設置願である。▼また、寛永19年の「指上申一札之事（五人組帳提出・年貢割付他心得方条々）」（1/25）は、山中領中山郷（現・多野郡神流町）の代官法度遵守請書である。▼享保11年の「一札之事（村々年貢米引当て金子借用証文）」（2/165）は旗本溝口家の借用証文である。溝口家の代官小保方家のあった緑野郡本動堂村等のほか、多胡郡では神保・塩・上川内・下川内村の名がある。▼「頼母子御連名帳（吉井宿問屋普請に付）」（2/88）、「議諚証文之事（新町宿助郷勤方に付）」（1/13）等もある。（以上9点は『群馬県史　資料編９』収録）。▼「御頼申一札之事（京都大丸店へ出市依頼に付）」（2/156、嘉永2年）もある（『吉井町誌』収録）。▼自治体誌に収録された文書が多い。
検索手段	『群馬県史収集複製資料』第2集、インターネット検索目録
関連資料	当館の収蔵資料に、絵図として明治６年の壬申地券地引絵図「吉井町」（A0181AMA　748、国重文）等。▼吉井藩に関する文書として「小此木千代子家文書」（P8206）、「貫属明細短冊帳（旧沼田藩・旧小幡藩・旧吉井藩・その他）」（A0387B0G　2548）、マイクロフィルム収集文書「上野吉井藩記録」（PF9003）、県史複製資料「吉井町郷土資料館文書７（土屋百合子氏寄贈史料）」（H42-1-1(7)近世）等。▼近世の吉井村（吉井宿）に関する文書として「大澤末男家文書」（H42-1-2近世）等。▼図書として『吉井町誌』『多野藤岡地方誌』『群馬県多野郡誌』吉井町の項、『郡村誌』吉井村の項、『島高堅自記　多胡旧記・吉井町由来覚書』等。▼当資料と同じく「H42-」で請求番号が始まる県史収集複製資料は、旧・多野郡吉井町に伝来した資料である。▼参考文献：上記の他に『角川日本地名大辞典10群馬県』『群馬県史』『群馬県姓氏家系大辞典』等
利用上の留意点	本資料は撮影による収集資料であり、閲覧は焼付製本による。