資料区分 県史複製
請求番号 H42-1-1(8)近世
文書群名 吉井町郷土資料館文書8(井上誠三郎氏寄託文書)
伝存地 吉井町(現高崎市)
出所 吉井町郷土資料館(現・高崎市立吉井郷土資料館)
地名 〔岩崎〕甘楽郡岩崎村(近世)/北甘楽郡岩平村岩崎(明治22年~)/甘楽郡岩平村岩崎(昭和25年~)/多野郡吉井町岩崎(昭和30年~)/高崎市吉井町岩崎(平成21年~)▼〔岩井〕多胡郡岩井村(近世)/多胡郡入野村岩井(明治22年~)/多野郡入野村岩井(明治29年~)/多野郡吉井町岩井(昭和30年~)/高崎市吉井町岩井(平成21年~)▼〔吉井〕多胡郡吉井村(近世)/多胡郡吉井町吉井(明治15年~)/多野郡吉井町吉井(明治29年~)/高崎市吉井町吉井(平成21年~)
旧支配 〔岩崎〕水野隼人正(慶長)/七日市藩領(元和2年~、前田家)/七日市県(明治4年~)/第一次群馬県(明治4年~)/熊谷県(明治6年~)/第二次群馬県(明治9年~)▼〔岩井〕吉井藩領(天正18年~、菅沼氏)/幕府領(慶長5年~)/旗本川田氏領(元禄11年~)/岩鼻県(明治元年~)後略▼〔吉井〕吉井藩領(天正18年~、菅沼氏)/幕府領/幕府領と旗本領(鷹司松平氏・川田氏・松平氏・中沢氏・岩村氏等)の相給/吉井藩領(寛延元年~、鷹司松平氏)/岩鼻県(明治2年~)後略
歴史 高崎市吉井町(旧・多野郡吉井町)は上信国境に源をもち東流する鏑川流域に位置する。▼近世は多胡郡吉井村に吉井藩1万石の陣屋が置かれたが、吉井藩領の村はわずかで、七日市藩領(1万石)、小幡藩領(2万石)、旗本領や御三卿清水家領、幕府領と様々であった。▼幕末の改革寄場組合では、甘楽郡の村は小幡村寄場組合(岩崎村・坂口村)と安中宿寄場組合(奥平村)に属し、多胡郡の村は吉井村を寄場とする多胡郡27か村の組合に属していた。▼吉井村は中山道脇往還の下仁田街道の宿場町であり、幕末には水戸浪士の天狗党が通行・宿泊した。▼岩崎村の名主鈴木文助は、七日市藩の依頼を受けて「〔水戸浪士通行一件絵巻〕(オロシア人来航から下仁田戦争まで)」(1/番外2)を作成した。▼鈴木家は代々名主を務めた家である。幕末に紋太夫、弥右衛門、仙蔵、円蔵、八百次郎、文助がいる。▼同じ岩崎の「堀越菊一家文書」(H42-25-2近世)、「井上元家文書」(H42-25-1近世)には名主の円蔵、文助、八百次郎の名がある。▼なお、鈴木文助は名主・戸長・学務委員を務め、長男円太郎は村長、次男武十郎は高山家(藤岡市高山)を継ぎ、高山社蚕業学校の経営にあたり、生家は蚕業学校の分教場になった。▼岩崎の井上家は永禄7年武田信玄に従い、倉賀野城攻めに戦功をあげ、後に岩崎村に住み、代々七日市藩前田氏の用達を務め、苗字帯刀を許されたという。
伝来 吉井町郷土資料館(現・高崎市立吉井郷土資料館)収蔵。
数量 4
年代 元禄15年(1702)~元治元年(1864)
構造と内容 鏑川の境論1点のほかは、中山道の脇往還である下仁田街道を通行した水戸浪士・天狗党に関する文書と絵巻である。▼元禄15年の「取替シ申扱一札済口之事(蕪川川原境論に付)」(1/35)には、甘楽郡岩崎村より下流の多胡郡岩井村(現・高崎市吉井町)と対岸の緑野郡上落合村(現・藤岡市)の名主らが署名している。▼天狗党は幕末の元治元年、吉井宿に宿泊して信州へ向かい、途中、高崎藩の追討軍を撃退した(下仁田戦争)。▼「〔武田耕雲斎挙兵前後の情勢書付〕」(1/167)は5月の高崎付近の動静を書留めた帳面である。▼「〔水戸浪士多野・甘楽郡通過の模様に付村々書上〕」(1/番外1)は11月に吉井宿を出立した浪士についての報告書である。▼「〔水戸浪士通行一件絵巻〕(オロシア人来航から下仁田戦争まで)」(1/番外2)は、七日市藩の依頼を受けて、岩崎村の名主鈴木文助が絵図に手記した見聞記録である(幅30cm・長さ3m。『群馬県史 資料編9』口絵に部分収録。そのほかの文書3点も同書に収録)。
検索手段 『群馬県史収集複製資料』第2集、インターネット検索目録
関連資料 「水戸浪士通行絵図」(青木裕『絵で見る近世の上州』みやま文庫)。▼当館の収蔵資料に、井上家所蔵文書として「井上元家文書」(H42-25-1近世)、吉井藩に関する文書として「小此木千代子家文書」(P8206)、「貫属明細短冊帳(旧沼田藩・旧小幡藩・旧吉井藩・その他)」(A0387B0G 2548)、マイクロフィルム収集文書「上野吉井藩記録」(PF9003)、県史複製資料「吉井町郷土資料館文書7(土屋百合子氏寄贈史料)」(H42-1-1(7)近世)等。▼絵図として明治6年の壬申地券地引絵図「吉井町」(A0181AMA 748、国重文)等。▼岩崎の文書群として「堀越菊一家文書」(H42-25-2近世)等。▼旧・岩平村の文書群として「吉井町郷土資料館文書4(旧岩平村役場蔵)」(H42-1-1(4)近世)等。▼七日市藩関係の文書群として「富岡市七日市保阪家文書」(PF8801)、「富岡市七日市大里家文書」(PF8802)等。▼図書として『吉井町誌』『多野藤岡地方誌』岩平地区の項ほか、『富岡市史』、『郡村誌』岩崎村ほか各村、『島高堅自記 多胡旧記・吉井町由来覚書』等。▼当資料と同じく「H42-」で請求番号が始まる県史収集複製資料は、旧・多野郡吉井町に伝来した資料である。▼参考文献:上記の他に『群馬県多野郡誌』『群馬県北甘楽郡史』『角川日本地名大辞典10群馬県』『群馬県史』『群馬県姓氏家系大辞典』等
利用上の留意点 本資料は撮影による収集資料であり、閲覧は焼付製本による。
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