資料区分 県史複製
請求番号 H42-16-1近世
文書群名 篠崎和男家文書
伝存地 吉井町(現高崎市)
出所 多野郡吉井町(現・高崎市) 篠崎和男家
地名 多胡郡多比良村(近世)/多胡郡入野村多比良(明治22年~)/多野郡入野村多比良(明治29年~)/多野郡吉井町多比良(昭和30年~)/高崎市吉井町多比良(平成21年~)
旧支配 吉井藩領(天正18年~、菅沼氏)/幕府領/旗本倉橋・渡辺氏の相給(慶長7年~)/幕府領(寛文9年~)/旗本鷹司松平氏領(延宝2年~)/吉井藩領(鷹司松平氏、宝永6年~)/岩鼻県(明治2年~)/第一次群馬県(明治4年~)/熊谷県(明治6年~)/第二次群馬県(明治9年~)
役職等 名主、吉井藩農兵
歴史 篠崎家は武田家家臣であったが、文禄年間に帰農し、諏訪神社(現・多比良神社)を勧請。半左衛門は元禄年間に土地縄入役を勤め、検地の功労者といわれたという。▼代々名主を務め、苗字帯刀を許された。所蔵者の和男氏は総本家の当主であった。▼多比良は牛伏山(標高490m)の麓より発する鏑川の支流、土合川(旧・深沢川)と矢田川(旧・天久川)の上流域に位置する。▼地名は多比良城(新堀城)のあった丘陵上の平らな地形に由来するといわれる。▼西組、新追部野、谷等の地区から成る。▼村高は「寛文郷帳」で873石、うち田方170石余・畑方703石余、以後同高。▼幕末の改革寄場組合では、吉井村を寄場とする多胡郡27か村の組合に属していた。人数は933。家数153、ほかに寺3。▼寺は城跡付近の天台宗普賢寺・清滝寺のほか、松田寺(池村の真言宗蓮勝寺末寺)があった。現在は普賢寺のみが残る。▼神社は城跡付近の多比良神社や「谷のお不動」、牛伏山頂の琴平神社等。▼大きな村であるため「多比良組」(土合川流域)と「松田組」(矢田川流域、東松田とも)の2組に分かれ、各組の名主が交代で名主を担当していた時期があるという(PF9003『上野吉井藩記録』の8/57「上州御領分村々明細帳」)。▼文政11年の多胡郡組合村議定書には26か村惣代の1人に同村の名主平七の名がある(「三木春男家文書」H42-21-1近世)。明治3年の嘆願書には、同村の肝煎名主として松田の武藤彦助の名が見える(「大澤末男家文書」H42-1-2近世)。▼本文書群は多比良組に関するものである。▼明治7年小学校開校(当初は普賢寺)、明治19年多野郡で最初の女性教員採用、平成19(2007)年閉校(入野小学校多比良分校)。
伝来 篠崎家に伝来。
数量 6
年代 文政5年(1822)~文政13年(1830)
構造と内容 多比良村のうち土合川流域の組に関する文書である。▼向平組の望月氏らの句合帳・句集2冊(1冊には「金井利兵衛」印有)には上州内外の俳人の句も書き留められている。当地の多比良神社には享和3年の芭蕉句碑がある。▼ほかに中組・新堀組の「獅子取立帳(祭礼入用割合)」(『群馬県史 資料編9』収録)、吉井藩の「農兵辞令(苗字帯刀御免)」等。▼同村の猟師らは吉井藩の農兵(銃兵・郷兵)であった。天明元(1781)年の絹糸運上一揆の際は陣屋、嘉永6(1853)年のペリー来航の際は江戸へ招集され、慶応4(1867)年は官軍側の吉井藩兵として小栗上野介討伐のため権田村(現・高崎市倉渕町)、会津藩討伐のため三国峠(現・みなかみ町)、戸倉村(現・片品村)へ従軍した。▼この時の「銃兵」のうち、望月・篠崎・羽切・天田・若林・原口・高橋・田村・桑子氏らは同村出身者の可能性がある(東京大学史料編纂所所蔵「上野介父子追討出兵調」『群馬県史 資料編10』)。▼同村の別の篠崎家には「銃兵小頭」の辞令が伝わる(『群馬県史 資料編9』)。▼同村の吉田善吉は三国戦争で戦死(27歳)。善吉は士分に昇進し、父親には藩からお金が渡されたほか、息子は鉄砲師として藩屋敷に住んだ(『上野吉井藩記録』ほか)。
検索手段 『群馬県史収集複製資料』第2集、インターネット検索目録
関連資料 当館の収蔵資料に、絵図として明治6年の壬申地券地引絵図「多比良村」(A0181AMA 764、国重文)等。▼入野小学校校区の文書群として「吉井町郷土資料館文書2(旧入野村役場蔵)」(H42-1-1(2)近世)、「富田真司家文書」(H42-17-1近世)、「新井勇家文書」(H42-18-1近世)等。▼吉井藩に関する文書群として「小此木千代子家文書」(P8206)、「貫属明細短冊帳(旧沼田藩・旧小幡藩・旧吉井藩・その他)」(A0387B0G 2548)、マイクロフィルム収集文書「上野吉井藩記録」(PF9003)、県史複製資料「吉井町郷土資料館文書7(土屋百合子氏寄贈史料)」(H42-1-1(7)近世)等。▼近世の吉井村(吉井宿)に関する文書として「吉井町郷土資料館文書5(本多夏彦氏寄贈史料)」(H42-1-1(5)近世)、「大澤末男家文書」(H42-1-2近世)等。▼図書として『吉井町誌』『多野藤岡地方誌』入野地区の項、『群馬県多野郡誌』入野村の項、『郡村誌』多比良村の項、『島高堅自記 多胡旧記・吉井町由来覚書』等。▼当資料と同じく「H42-」で請求番号が始まる県史収集複製資料は、旧・多野郡吉井町に伝来した資料である。▼参考文献:上記の他に『角川日本地名大辞典10群馬県』『群馬県史』『群馬県姓氏家系大辞典』等
利用上の留意点 本資料は撮影による収集資料であり、閲覧は焼付製本による。
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