資料区分	県史複製
請求番号	H42-25-1近世
文書群名	井上元家文書
伝存地	吉井町（現・高崎市）
出所	多野郡吉井町（現・高崎市）　井上元家
地名	甘楽郡岩崎村（近世）/北甘楽郡岩平村岩崎（明治22年～）/甘楽郡岩平村岩崎（昭和25年～）/多野郡吉井町岩崎（昭和30年～）/高崎市吉井町岩崎（平成21年～）
旧支配	水野隼人正（慶長）/七日市藩領（元和2年～、前田家）/七日市県（明治4年～）/第一次群馬県（明治4年～)/熊谷県（明治6年～)/第二次群馬県（明治9年～)
役職等	名主
歴史	井上家は永禄７年武田信玄に従い、倉賀野城攻めに戦功をあげ、後に岩崎村に定住。名主を務めた。▼代々七日市藩前田氏の用達を務め、苗字帯刀を許された。▼清重11世の孫智重（通称弥市）は質屋を営んだ。▼岩崎は上信国境に源をもち東流する鏑川の左岸に位置する。河床から比高5～10mの下位段丘と、標高200m前後の中山丘陵に大別される。▼岩崎の渡しがあり、吉井町地域と高崎地域を結んでいた。現在は東境に主要地方道高崎神流秩父線（中山峠）が通る。▼村高は「寛文郷帳」で774石、うち田方401石余・畑方372石余、「元禄郷帳」789石、「天保郷帳」1118石余、「旧高旧領」も同高。▼幕末の改革寄場組合では小幡村寄場組合に属し、高871石余、家数130。▼鏑川で漁も行われており、運上金を納めていた（藤巻家文書）。▼名主の鈴木文助は幕末に水戸の浪士、天狗党が下仁田街道を通過した際、絵入りの見聞記録を作成した（『群馬県史　資料編９』口絵に掲載、「吉井町郷土資料館文書８（井上誠三郎氏寄託文書）」H42-1-1(8)近世）。▼なお、鈴木文助は名主・戸長・学務委員を務め、長男円太郎は村長、次男武十郎は高山家（藤岡市高山）を継ぎ、高山社蚕業学校の経営にあたり、生家は蚕業学校の分教場になった。▼岩崎山密蔵院覚性寺や、弘法大師の加持によるという五味の井戸がある。▼明治30年、甘楽社岩崎組創立。▼大正時代に地内の33社を菅原神社に合祀、岩崎神社と改称。▼七日市藩は、加賀藩主前田利家の五男利孝が入って立藩された。一万石。甘楽郡七日市村（現・富岡市）に陣屋が置かれた。
伝来	井上家に伝来。
数量	7
年代	永禄７年（1564）～慶応元年（1865）
構造と内容	全て状物である。井上勘解由助あての朱印状「〔武田晴信感状〕（倉賀野衆の戦功を感謝）」（1/番外1）、および嘉永5年の井上氏あて「一書（先君代々並び川中島戦死者供養のため満承寺にて修業案内）」（1/番外2）のほかは、天明2年以降の岩崎村の文書５点である。▼うち4通（番号1/5～1/8）は１巻に仕立てられている。▼そのうち3通は名主八百次郎の関わる文書である。安政7年の「覚（新小名寄写帳差出しに付古帳請取届）」（1/6）には「文政年中、父名主八百次郎」の名が出てくる。▼ほかに嘉永５年「乍恐以書付御歎願奉申上候（困窮に付名主役御免願）」（1/5）、年代不明の「申渡之覚（無尽不届に付名主役取上げ所払い）」（1/8）がある。▼文書に書かれている名主の円蔵、文助、八百次郎の名は、同じ岩崎の「堀越菊一家文書」（H42-25-2近世）にも出てくる。岩崎村の名主鈴木家の人達と考えられる。
検索手段	『群馬県史収集複製資料』第2集、インターネット検索目録
関連資料	当館の収蔵資料に、同じ井上家所蔵文書として「水戸浪士通行絵図」を含む「吉井町郷土資料館文書８（井上誠三郎氏寄託文書）」（H42-1-1(8)近世）、岩崎の文書群として「堀越菊一家文書」（H42-25-2近世）等。▼絵図として明治６年の壬申地券地引絵図「岩崎村」（A0181AMA　773、国重文）等。▼旧・岩平村の文書群として「吉井町郷土資料館文書４（旧岩平村役場蔵）」（H42-1-1(4)近世）。▼七日市藩関係の文書群として「富岡市七日市保阪家文書」（PF8801）、「富岡市七日市大里家文書」（PF8802）等。▼図書として『吉井町誌』『多野藤岡地方誌』岩平地区の項、『富岡市史』、『郡村誌』岩崎村の項、『島高堅自記　多胡旧記・吉井町由来覚書』等。▼当資料と同じく「H42-」で請求番号が始まる県史収集複製資料は、旧・多野郡吉井町に伝来した資料である。▼参考文献：上記の他に『群馬県北甘楽郡史』『角川日本地名大辞典10群馬県』『群馬県史』『群馬県姓氏家系大辞典』等
利用上の留意点	本資料は撮影による収集資料であり、閲覧は焼付製本による。