資料区分 |
マイクロ |
請求番号 |
PF0207 |
文書群名 |
吾妻郡六合村 市川義夫家文書 |
伝存地 |
吾妻郡六合村小雨(現・中之条町) |
出所 |
吾妻郡中之条町(旧・六合村) 市川義夫家 |
地名 |
吾妻郡小雨村(近世)/岩鼻県吾妻郡小雨村(明治元年~)/群馬県吾妻郡小雨村(明治4年~)/熊谷県吾妻郡小雨村(明治6年~)/群馬県吾妻郡小雨村(明治9年~)/吾妻郡草津村大字小雨(明治22年~)/吾妻郡六合村大字小雨(明治33年~)/吾妻郡中之条町小雨(平成22年~現在) |
旧支配 |
沼田藩領(真田氏)/幕府領(天和元年・1681年~)/岩鼻県/第一次群馬県/熊谷県/群馬県 |
役職等 |
小雨村組頭(近世)、小雨村戸長(明治)、酒造・旅宿業(屋号:中村屋) |
歴史 |
小雨村(こさめ)の村高は寛文2年(1662)の真田氏の検地では178石余。貞享2年(1685)の検地帳では61石余となっている。「元禄郷帳」「天保郷帳」「旧高旧領帳」でも同高。幕末の改革組合村では大戸寄場組合に属した。白砂川にかかる小雨橋の掛け替えは21ヶ村の自普請で行われた。▼草津温泉は、標高1200メートルの高地にあるため、冬が厳しく積雪も多い。よってこの時期には湯治客の足が途絶え、住人も生活が困難なため、10月~3月の間、雪の少ない小雨村・前口村へ移住する独特な生活方法をとっていた。これを「冬住み」という。
《参考文献》『群馬県の地名』・『角川日本地名大辞典 群馬県10』・『群馬県史』通史編6 |
伝来 |
市川家に伝来。 |
数量 |
983 |
年代 |
建武3年(1336)~昭和2年(1927) |
構造と内容 |
当文書群は草津村・小雨村・前口村が兼帯名主であっため、市川家がある小雨村だけではなく、他の2ヶ村の文書も含まれている。▼村政関係は主に、年貢割付・皆済目録が50点。さらに残存していないものも含め、年貢割付[№441・№386、天和3年(1683)~文化元年(1804)]・皆済目録(№193・№390、天和2年~文化元年)の一部を抜粋した書き写しが4冊ある。近世を通して年貢の納入状況がわかるのであわせてご覧いただきたい。▼村政以外では、小雨村・生須村境の白砂川に架けられた小雨橋の普請についての資料が豊富である。▼宝暦9年(1759)から天保9年(1838)までおよそ80年間にわたり、57点の文書が残存する。▼小雨橋は、資料中で「万年橋」とも記載され、大笹関所より猿ヶ京関所・北国脇往還・草津温泉より四万温泉・沢渡温泉・伊香保温泉へ武家・湯治人などが通行し、交通の要衝として認識された。小雨橋は災害などでたびたび流され、橋元の村で普請するか、組合村で割合とするか、また刎橋にするかか土橋にするかで紛糾した。▼なお当館の収蔵資料ではないが、明治4年(1871)にも普請滞り出入の和解証文が出されているほど、長きにわたる紛争となった(『群馬県史』資料編11 №429)。関連文書は「小雨橋」で検索できる。▼また茶屋・旅籠屋・馬士などの結託による草津温泉の湯治客への客引きが横行し、社会問題となった。たびたび郷例などにより禁止・営業停止など取締を図ったが、あまり効果は得られず、安永から幕末の嘉永年間まで願書や禁止の請書が25点残っている。▼現代でも飲食店などの客引きを禁止する条例が存在するが、このような問題がすでに江戸時代にあったことは興味深い。「引付」で検索できる。▼草津白根山・万座山などで硫黄(湯の花)稼ぎの利権に関する資料もある。無許可の採掘や粗悪品・類似品の流通などが横行したようで、天保9年には採掘や輸送に関する取り決めが出された(№661)。採掘は、八十八夜から10月までの期間で行われていたようである。「硫黄・湯ノ花」で検索できる。▼意外にも冬住に関する資料は8点と少ない。この文書群から冬住の全体像を把握することは困難であるが、屋敷相続の状況や冬住み期間中に水車稼ぎ・酒造を行っていた様子がうかがえる。 |
検索手段 |
市川義夫家文書仮目録・インターネット検索 |
関連資料 |
同一資料として群馬県史収集複製資料として市川義夫家文書(H66-1-1近世)78点。▼小雨橋関係では、長野原町羽根尾区有文書(P0106)や草津町教育委員会文書(2)(H65-1-2(2)近世)などがある。▼旅人引付では、前記の草津町教育委員会文書(2)、硫黄稼ぎ関係で佐田知治家文書(P8815)と吾妻郡嬬恋村黒岩タキ家文書(PF0305)がある。▼(参考文献として角川書店『角川日本地名大辞典 10 群馬県』、平凡社『群馬県の地名 日本歴史地名体系10』、群馬県文化事業振興会『上野国郡村誌』、丑木幸男著『上野国郷帳集成』など。) |
利用上の留意点 |
「群馬県立文書館における特定歴史公文書等以外の文書の取扱いに関する要綱」第5条および「群馬県立文書館における特定歴史公文書等以外の文書の閲覧制限基準」第2(非閲覧文書の指定事項)により閲覧が制限されている文書は本目録から除外した。 |